• テキストサイズ

Pentagon【気象系BL】

第4章 G線上のアリア


着替えを済ませた大野さんは再び深い眠りに落ちた。

俺の手をギュッと握り締めたまま。

ポケットの中でスマホが震えた。

画面には翔ちゃんの表示。

暫くその画面を眺めていたが、握った手をそっと解き、俺は部屋とキッチンを隔てるガラス戸を引いた。

一気に冷たい空気が身を纏った。
スマホはまだ俺の手の中で震え続けていた。

「もしもし、翔ちゃん? どうしたのこんな時間に」

壁に掛かった時計は、もう深夜二時を迎えようとしていた。

「特に用事はないんだけどさ…

…今誰か傍にいんの?

あ、雅紀か…」

最大限に落とした俺の声のトーンが気になったのだろう。

「え? あ、うん。まーくんが泊まりに来てんだ…」

なんとも歯切れの悪い答えに、翔ちゃんは“そっか”と言って笑った。

「お前さ、潤が付き合ってる、って知ってた?」

「いや、聞いてないけど…? 誰と?」

そんな話はまーくんからも聞いていないし、実際初耳だった。
/ 297ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp