第3章 ジムノペディ
「でもさ、良く考えたら潤も可哀想な奴かもしんないな?」
和の口から出た意外な言葉に、膝に埋めていた顔を上げた。
「だってさ、俺達同じ男だよ? もしそうなったら…ダメになったらさ、ヤケになるだろうし…
だからってこんなやり方は許せない。皆傷つけ合ってるだけじゃん。誰も幸せになれないよ…」
和は頭を俺に凭せ掛けると、鼻を啜った。
誰も幸せになれない…
和の一言が俺の心に突き刺さった。
でも俺と潤が大ちゃんに与えた痛みは、きっとこんなもんじゃないだろう。
身体を拘束され、なんの抵抗も出来ないまま、無理矢理身体をこじ開けられ、薬で強制的にイカされるなんて…
考えれば考えるほど、自分が情けなくなる。