第3章 ジムノペディ
泣き止むまでずっと和の肩を抱いていた。
だって俺にはそれしか出来ないから。
和の涙を見て、初めて自分のした事がどれだけ愚かだったのか気付いた。
それがたとえ潤の為であっても。
「ごめん、和…」
「謝る相手間違ってるよ、バカ…」
ホント俺って、救いようのないバカだ。
「で、何でそんなことになったの?」
俺は潤が高校時代から大ちゃんのことが好きだったこと、そして潤の身体の秘密を和に打ち明けた。
勿論、潤のことは口外しないよう付け足して。
「アンタ利用されたんじゃん…」
和の言う通りなのかも知れない。
俺の性格を知った上で、潤は俺を利用したんだ。
そう思ったら腹の底から、ジワジワと怒りが湧き上がってくるのを感じた。