第3章 ジムノペディ
俺がこの部屋を訪れる理由を和は知っている。
当然、潤との関係も・・・
だって潤の香りが俺に残っているから。
「毎回毎回、いい加減にして下さいよ~」
なんて厭味ったらしく言ってるけど、それでも俺を受け入れてくれるのは、俺の性格を熟知しているからだと思う。
捨てられた動物や、困ってる人がいたら放っておけないって・・・
中には良い格好しぃだとか、偽善だとか言うやつはいたよ?
でも和は・・・和だけは違ったんだ。
「まーくんだから出来ることなんじゃない?」
って言ってくれた。
俺は和に甘えてるんだ…
寧ろ和だから、無防備なくらい素の自分でいられる。
「ごめんね、いつもこんな時間に…
仕事中なのに邪魔しちゃって…」
パソコンのキーボードを叩く手を止め、和が大きく伸びをする。
「いいよ、俺もちょっと休憩したかったからね」
俺に気を使わせないための和の優しさだ。