第2章 革命
ジョッキを片手に、翔は同窓会のタイムスケジュールなんかを、事細かにメモを取っていった。
分刻みでスケジュールを組んで行く生真面目さは、昔から変わらない。
翔は成績も常にトップクラスをキープし、地元ではちょっとした名家の息子だった為、クラス委員や生徒会長を任されることも少なくなかった。
そんな翔が相手だと、面白いぐらいスムーズに事が進む。
主席者のチエックだけは、自宅に戻らないとどうにもならないって事で、後日FAXでのやり取りにするよう約束をした。
お互い何杯目かのジョッキを開けた時、翔が大きく深呼吸をした。
そして、
「俺さ、結婚するかもしんない…」
一瞬翔さんを求めて涙を流す智の顔が浮かんだ。
「いつ?」
「まだ先だよ? 何せ親が勝手に決めた話だから、俺相手の顔も知らないし…」
溜息を一つ吐くと、翔は“やってらんねぇ”と苦笑した。