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Pentagon【気象系BL】

第2章 革命


翔がもし本当に結婚したらその時智は?

「なぁ、翔さん?」

何?ってほんのり赤くなった顔を向ける。

この人は智のことはもう忘れたのか?

「俺さ、今リーダー…智と付き合ってるんだ」

翔がどんな反応をするのか見たくて嘘をついた。

「…へぇ、そうなんだ?」

ほんの一瞬だけど、翔の瞳が揺れたのを俺は見逃さなかった。

明らかに動揺してる?

「今も俺の部屋で待ってるんだ」

「そ、そうなんだ…。

じゃあ、そろそろ帰らないと…ね」

伝票を手に取り、胸の内ポケットから財布を取り出すと、千円札を何枚かテーブルに置いた。

会計を済ませ、店を出ると火照った身体をを冷ますように、冷たい風が吹き付けた。

「じゃ、俺こっちだから…」

店に入ってきた時同様、片手を上げて背を向ける翔。

俺はその背中に、

「翔さんはさ、もう智のこと忘れたの?」

胸の奥に引っかかっていた事を尋ねた。

翔は振り向くこと無く、

「もう10年だよ? 俺達が別れてから…

とっくに忘れたよ…」

嘘だ…

俺には分かる。

だって俺も智のことが好きだから…
智のことをずっと思ってるから…

きっと翔さんも俺と同じ。

ほら、
どんなに強がっても背中が泣いてるよ?

まだ好きだ…

まだ愛してる…って。


「革命」完
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