第2章 革命
電話を切った後、俺は居酒屋に向かった。
翔が同窓会の打ち合わせをしたいと言ったからだ。
店に着き、翔を待つ。
電話やメールでは連絡をとっていたものの、実際翔に会うのは3年振り。
智にあんな事をした後だけに、顔を合わせるのは気が引ける。
ふと、部屋に一人残してきてしまった智が気になったが、丁度店の扉がカラカラッと音を立てて開き、翔が暖簾の隙間から顔を覗かせた。
こっち、と片手を上げると、翔も同じように手を上げた。
「悪いね、こんな時間に…」
気付けば日を跨いでいた。
「構わないよ。俺の仕事朝も夜もあんま関係ないから
翔さんこそ明日仕事は?」
翔は高校の音楽教師をしている。
「明日は休みなんだよ。創立記念日ってやつ?」
だからか…
週末でもないのに、こんな時間は有り得ない。
「取り敢えず飲もうぜ」
翔はテーブルに設置されたブザーを押すと、生ビールを2杯オーダーした。