第2章 革命
洗い立てのバスローブを羽織り、普段は飲まないウィスキーをのボトルを手にした。
ソファに腰を下ろし、ボトルごとウィスキーを煽った。
喉の奥が焼けるように熱い。
どれだけ飲んでも酔える筈もなく、ふらつく足もとで着替えを済ませ、俺は部屋を出た。
宛もなく街を歩けば、冷たい夜風が身体の火照りを攫っていった。
人気の無い公園のベンチに座り、ただ時間だけが過ぎるのを待とうと思った。
コートのポケットに手を突っ込むと、丁度スマホが震えた。
液晶には“櫻井翔”の名前。
今一番見たく無い名前だな…
苦笑しながらも液晶をタップした。
「もしもし、翔さん? 久しぶり…」
「やーっと繋がったよ。さっきからずっとかけてたんだぜ?」
「ごめん、気づかなかったわ…」
バイブにすら気づかないほど、俺の意識は遠くにあったんだと初めて気づいた。