第14章 おまけのPentagon
気付くと辺りはすっかり夕焼けの空が広がっていた。
「和?」
草を踏む音に振り向くと、申し訳なさそうな顔を浮かべた三人が立っていた。
「さっきはごめん。オレ…」
「俺も悪かった」
「いや、そもそも俺が変な嫉妬心燃やしたから…」
次々に謝罪の言葉を述べる三人に、俺と和は込み上げてくる笑いを堪えるのに必死で…
俺達は肩を小さく揺らした。
「なぁ、海、行かない?」
翔君が言う。
「どうしたの、急に」
驚いたように振り向いた潤の肩に、翔君の腕が回る。
「別に深い意味なんてないんだけどさ…」
「いいよ、行こうぜ?」
潤の腕が翔君の肩に回った。
「仕方ないですね、俺らも付き合いますか?」
和の手が俺の手を握った。
「行こ? 大野さん」
「うん」
先に歩き始めた二人の後を、小走りで追いかける。
二人の後ろ姿に、少しだけ嫉妬を感じたのは内緒。
「ちよ、ちょと待ってよ〜」
その俺達の後を、相葉ちゃんが慌てて追いかけてくる。
その姿に、先を歩いていて翔君と潤が足を止める。
「早く来いよ!」
「置いてくぞ?」
「だから、待ってて…オワッ…!」
慌てて、吊っかけただけのスニーカーを飛ばす相葉ちゃんの姿に、笑いが起こる。
でも和だけは…
「もう、あんなのほっといて行きますよ」
呆れたように言うけど…
その顔はとても穏やかな笑みだった。