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Pentagon【気象系BL】

第14章 おまけのPentagon


「大体さぁ、今日はめでたい日でしょ? なのにさぁ、何つまんないことで言い争ってんの?」

「ねぇ、和…」

和に俺の声は届いてないみたいで…

「もう、知らない!」

俺の手を振り払うと、和はそのままリビングから出て行ってしまった。

残された俺達の間に、気まずい空気が流れる。

「俺、ちょっと見てくる」

翔君に言い残し、俺は和の後を追った。


庭に出ると、さっきまで潤と座っていたベンチに、小柄な身体をもっと小さくして和が蹲っていた。

抱えた膝に顔を埋めて…泣いてるの?

「和…、大丈夫?」

驚かせない様に、そっと声をかける。

「………」

返事は…ない。

「和…?」

和の肩に触れようと、手を伸ばした時だった。

和の肩が小刻みに震え出した。

「ククッ…クククッ…、もう無理、我慢の限界!」

和がお腹を抱えて笑い出した。

えっ、なに?
なんなの?

「もうさ、ああでもしないと治まんないでしょ、あの人達」

呆気にとられる俺の顔の前で、和の手がヒラヒラする。

「大丈夫? 驚かせちゃいました?」

全く悪びれた様子のない和に、俺は少しだけ剥れて見せる。

「心配したんだから…」

「だから、ごめんって…」

和がベンチから腰を上げ、俺は和の腕にギュッと抱き締められた。

「…大野さん? 俺今超幸せだよ…?」

俺の肩に熱い物を感じた。
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