第14章 おまけのPentagon
「なぁ、智? お前今幸せか?」
俺は黙って頷く。
「そっか…良かった。本当はさ、俺がお前を幸せにしてやりたかった。でも、お前にとっての幸せはさ、やっぱり翔さんの隣にいることだったんだよな?」
潤…
それは違うよ?
俺にとっての幸せは…
「ごめんな? 俺、お前に酷いことした。今更後悔したって遅いかもしれないけど…。ほんと、ごめん…
」
潤が俺に向かって頭を下げる。
「ねぇ、潤は今幸せ? 斗真と一緒にいられて幸せ?」
さっき俺がされた質問を、今度は潤に向かって投げかける。
潤が顔を上げ、そして俺を真っ直ぐに見つめた。
その瞳の奥に、俺は強い光のようなものを感じた。
「愛してるんだね、斗真のこと…」
そして愛されてるんだね?
「ねぇ、潤? 俺はね、勿論翔君といられることに幸せを感じてるよ? 翔君の愛してるし、翔君だって俺のこと愛してくれてる。でもね、俺の幸せってそれだけじゃないんだよ?」
潤が首を傾げ、俺の顔をジッと見つめる。
「俺の幸せはね…」
言いかけた時、俺達の背後で草を踏む音がした。
「智君…?」
「翔君。どうしたの?」
振り向いた俺の視界に飛び込んで来た、翔君の少しだけ嫉妬に満ちた表情。
ヤバイ…
お仕置き、覚悟しといた方がいい?