第14章 おまけのPentagon
「ただいま」
相葉ちゃんの後ろからひょっこり覗かせた顔を見た瞬間、俺の胸に懐かしさが込み上げる。
ううん…
俺だけじゃない、翔君だって…
「おか…えり…」
掠れた声でそう言うのがやっとのようで…
俺に至っては、動揺を隠しきれないまま、翔君の手をしっかりと握ることしか出来なかった。
「ほらほら、ここ座んなさいよ? 長旅だったんだろ?」
相葉ちゃんのお母さんが、俺達の前の空席に促す。
「ありがとうございます」
小さく礼を言って頭を下げる。
「ほら、お連れさんも…」
連れ?
そう言えば俺達の前の空席も、確か二つ…
思いもがけない事態に、頭が着いて行かない。
「どうも、お邪魔しま~す」
そんな俺を他所に、続いてリビングに入って来たのは…
「と、斗真?」
翔君が目を丸くする。
「な、なんで?」
どうやら着いていけてないのは、俺だけじゃなかったみたいだ。
「それに関しては後でゆっくりね?」
翔君の前に腰を降ろした斗真がウィンクを一つ寄越す。
もう何がどうなってるの?
でも一つだけ分かったこと…
和の顔に浮かんだ複雑な笑顔。
このことを知っていたからなんだよね?
だからあんな顔で俺達のことを…