• テキストサイズ

Pentagon【気象系BL】

第14章 おまけのPentagon


「ただいま」

相葉ちゃんの後ろからひょっこり覗かせた顔を見た瞬間、俺の胸に懐かしさが込み上げる。

ううん…
俺だけじゃない、翔君だって…

「おか…えり…」

掠れた声でそう言うのがやっとのようで…

俺に至っては、動揺を隠しきれないまま、翔君の手をしっかりと握ることしか出来なかった。

「ほらほら、ここ座んなさいよ? 長旅だったんだろ?」

相葉ちゃんのお母さんが、俺達の前の空席に促す。

「ありがとうございます」

小さく礼を言って頭を下げる。

「ほら、お連れさんも…」

連れ?

そう言えば俺達の前の空席も、確か二つ…

思いもがけない事態に、頭が着いて行かない。

「どうも、お邪魔しま~す」

そんな俺を他所に、続いてリビングに入って来たのは…

「と、斗真?」

翔君が目を丸くする。

「な、なんで?」

どうやら着いていけてないのは、俺だけじゃなかったみたいだ。

「それに関しては後でゆっくりね?」

翔君の前に腰を降ろした斗真がウィンクを一つ寄越す。

もう何がどうなってるの?

でも一つだけ分かったこと…

和の顔に浮かんだ複雑な笑顔。

このことを知っていたからなんだよね?

だからあんな顔で俺達のことを…
/ 297ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp