第14章 おまけのPentagon
「ありがとう…」
暫くの沈黙の後、和が俯いたままポツリ言う。
「なんかさ、まーくんじゃ頼りないけどさ、二人で頑張ってみるよ」
俺はそれに黙って頷く。
だって和がとっても幸せそうな顔してたから。
「下、行きますか?」
和が俺の手を引く。
「うん。流石に翔君もヤキモキしてるだろうし…」
アレでけっこう焼きもち焼きなんだよ、と俺が言うと、和が一言…
「今頃?」
と、鼻で笑った。
和と二人、手を繋いで階段を降りて行くと、案の定翔君の視線が俺を通り越して和に突き刺さる。
「大野さん、お仕置き覚悟しといた方がいいんじゃない?」
和が俺にそっと耳打ちをする。
“お仕置き”って…
俺、お仕置きされなきゃいけないようなこと、何もしてないし…
「ほらほら、そんなトコに突っ立ってないで、さっさと座んなさい」
相葉ちゃんのお母さんに背中を押され、和は相葉ちゃんの隣へ、俺は翔君の隣の席に腰を下ろした。
「随分長かったけど、二人で何してたの?」
翔君の細めた目が俺を覗き込む。
「別にやましい事なんて何もないよ?」
嘘じゃない…
「ふ〜ん、そう。…で、“やましい事”って例えば?」
あ〜、もう!
これってやっぱり“お仕置き”確定なの?