• テキストサイズ

Pentagon【気象系BL】

第14章 おまけのPentagon


“怖い”

そう言って俯く和の隣に腰を下ろし、細い肩に腕を回した。

「まーくんに押し切られるような形で、籍入れちゃったけど、本当にこれで良かったのか、って考えると、怖くなるんだ…」

膝の上に握った拳に、雫が落ちる。

「世間的に見れば、俺達は“兄弟”って関係になるんだろうけど、実際はそんなんじゃないからさ…」

そう…
俺達みたいな関係は、大手を振って町中を歩けるような、そんな関係ではない。

ましてや“祝福”なんて、無縁に近い関係。

「まーくんは気にしない、って言うけど、俺は気になるよ…。俺が隣にいる事で、まーくんが人から白い目で見られるんじゃないか、って考えたら…」

和の肩が小さく震える。

「ねぇ、和? 俺もね、それは考えたことある。俺の存在が翔君にとって“足枷”にならなきゃいいな、って…」

すっと思ってきたこと…

「でもさ、それでも一緒にいたいんだよね…」

「大野…さん?」

「翔君言ってくれたんだ…

“一人じゃ無理でも、二人なら乗り越えられない山はない”ってね?

そう言われた瞬間、俺“翔君の隣にいて、もいいんだ”って思えた」

二人で肩を並べて、手を繋いで…
オレは一人じゃない…そう言ってくれたんだ。
/ 297ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp