第14章 おまけのPentagon
“怖い”
そう言って俯く和の隣に腰を下ろし、細い肩に腕を回した。
「まーくんに押し切られるような形で、籍入れちゃったけど、本当にこれで良かったのか、って考えると、怖くなるんだ…」
膝の上に握った拳に、雫が落ちる。
「世間的に見れば、俺達は“兄弟”って関係になるんだろうけど、実際はそんなんじゃないからさ…」
そう…
俺達みたいな関係は、大手を振って町中を歩けるような、そんな関係ではない。
ましてや“祝福”なんて、無縁に近い関係。
「まーくんは気にしない、って言うけど、俺は気になるよ…。俺が隣にいる事で、まーくんが人から白い目で見られるんじゃないか、って考えたら…」
和の肩が小さく震える。
「ねぇ、和? 俺もね、それは考えたことある。俺の存在が翔君にとって“足枷”にならなきゃいいな、って…」
すっと思ってきたこと…
「でもさ、それでも一緒にいたいんだよね…」
「大野…さん?」
「翔君言ってくれたんだ…
“一人じゃ無理でも、二人なら乗り越えられない山はない”ってね?
そう言われた瞬間、俺“翔君の隣にいて、もいいんだ”って思えた」
二人で肩を並べて、手を繋いで…
オレは一人じゃない…そう言ってくれたんだ。