第14章 おまけのPentagon
「お久しぶりです、おじさん、おばさん」
翔君が頭を下げて端の席に腰をおろした。
俺もその隣に腰をおろす。
「もう身体は大丈夫なんですか?」
翔君が聞くと、相葉ちゃんのお父さんはビールの入ったグラスを掲げ、
「バッチリだ」
とウィンクを一つ寄越した。
「何が“バッチリだ”だよ? あんま飲み過ぎんなよ?」
そこへ白いポロシャツに、ホワイトデニムのハーフパンツ姿の相葉ちゃんがリビングに入って来た。
一気に部屋の空気が明るくなる。
「大ちゃん、翔ちゃん、忙しいのにわざわざありがとね?」
俺達に向かって相葉ちゃんがペコリと頭を下げる。
「ねぇ、和は?」
俺が聞くと、相葉ちゃんが人差し指を天井に向かって立てて見せた。
「俺、ちょっと見てくる」
翔君にそう言い残し、俺はリビングから続く階段を登った。
「和? 入ってもいい?」
ノックをすることもなく、扉の向こうの和に声をかける。
「どうぞ…」
小さく返ってくる和の声。
扉をゆっくり開けると、ベッドの端にちょこんと座った和の姿。
相葉ちゃんと揃いの白い服が、和の白い肌を更に際立たせる。
「大野さん…俺、怖いんだ…」
和がポツリ呟いた。