第2章 革命
バスローブに包んだ智の身体を、雅紀がそっとベッドに横たえた。
脱力しきった身体はピクリとも動かない。
風呂上りの火照った頬に触れてみるが、睫毛すら動く気配はない。
しっとり濡れた髪を指で梳くように撫でると、眠る智の唇に自分の唇を重ね、予め用意してあった封筒を枕元に置いた。
雅紀はじっとその光景を見つめていた。
「なぁ、雅紀…。俺って最低だよな…。こんなに好きなのに…」
零れそうになる涙を隠すように顔を覆った手が、雅紀の手に掴まれた。
そのまま引き寄せられ、俺の身体は引きずられる様にリビングのソファに放り出された。
「雅…紀…?」
見下ろす雅紀の目は、酷く冷たい色を宿していた。
初めてだった…
雅紀を怖いと思ったのは…