第2章 革命
俺の心は彼を手に入れたくて、暴走を始めていた。
心がまだ翔の元にあるのならば、せめて身体だけでも手にいれたい。
でも俺にはそれは不可能。
子供の頃に熱病にかかって以来、俺は男性機能が不能になってしまったから。
その事に気づいたのも、やはり高校時代。
当時の彼女と関係を持とうとした時、全く機能しなかったんだ。
その後も何度か試してみたが、やはり機能することはなく…
ショックだった。
男として終わった、と思った。
そして、その辛い心情を唯一相談したのが、相葉雅紀だ。
雅紀は俺の為に涙を流し、一緒に頑張ろうと言ってくれた。
高校生だった俺たちが、思い付く限りのことを試したが、どれも機能を取り戻すには至らなかった。
男として人を愛することを諦めかけた俺に、雅紀は愛される喜びを教えてくれた。
俺は親の後を継いで料理人になるべく、料理学校に通っていた雅紀を、ブランドのイメージモデルとして俺の手元に置いた。
雅紀もまた、俺にとってかけがえのない存在になった。
その雅紀に、俺は自分の身代わりとして、彼を抱かせた。