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Pentagon【気象系BL】

第12章 愛の夢


暫くして扉がノックされた。

ゆっくり開いた扉の隙間から、翔君が顔を覗かせた。

「入っても大丈夫?」

「うん、いいよ?」

翔君がほっとした表情を浮かべる。

「潤からの贈り物、何だったの?」

ベッドの端に腰を降ろし、俺の肩を抱き寄せる。

「そうそう、何だったの?」

相葉ちゃんがパイプ椅子の背凭れに顎を乗せて座った。

「だから、邪魔なんだって、お前は…」

相葉ちゃんの首根っこを掴んで、和が呆れ口調で言う。

「これね、潤が俺の為に仕立ててくれたの」

俺は箱の蓋を開けて見せた。

「そっか、良かったね?」

翔君の頬が、俺の頬に触れた。

「…うん」

「ねぇねぇ、他には何も入ってなかったの? 手紙とかさ」

興味津々とばかりに相葉ちゃんの声が弾む。

「ううん、何も…」

俺は首を横に振った。

あの小さなメモのことは、今は黙っていよう。
いつか話せる時が来たら、その時は…

「それよりさ、調子良ければ家、帰ってもいいみたいだけど、大野さんどうする?」

和が相葉ちゃんを椅子から引きずり下ろし、空席になった椅子に腰を降ろした。

「もう大丈夫。帰ろ?」

俺の言葉に和が頷き、席を立った。

「会計、済ませてくるわ。翔さん、後頼んでいい?」

「分かった。下で待ってて?」

「了解。 ほら、行くよ!」

和が相葉ちゃんの腕を引っ張って部屋を出て行った。


翔君と二人きりになった途端、急に緊張が襲ってきた。
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