第12章 愛の夢
カラカラと軽い音を立てて開かれた病室の扉。
それと同時に賑やかな声が、静かな空間に響いた。
「おっはよ〜、って、アレ? リーダーまだ寝てんの?」
翔君が首だけで声の主を見るのが分かった。
「雅紀、お前煩いって…」
ヒソヒソと小声の翔君に対して、
「あ、ごめんごめん。静かに、ね」
って、相変わらず朝からテンション高めの相葉ちゃん。
全然静かじゃないし…
でも、もうそろそろ起きないと…
瞼を持ち上げようとした瞬間、俺を覗き込む気配を感じた。
「どう、翔ちゃん?」
どうやら気配の主は相葉ちゃんのようだ。
「どう、って…何が?」
「だからさ、リーダーとさ、こうやって朝を迎えた感想?」
寝たフリを続ける俺の横で交わされる会話。
どうしよう…
起きらんなくなっちゃった…
「バカか、お前…。決まってんだろ?」
翔君の手が俺の髪を撫でる。
そしてクスッと笑ったかと思うと、背中をポンポンと叩かれた。
「最高だよ、…ね、智君?」
えっ!?
「あ、あの…えと…あの、う…ん」
あまりに突然のことに、俺は完全にしどろもどろになる。
「いつから起きてたの?」
覗き込む翔君の目が意地悪く笑う。
「えっ、うそ! リーダー、それって“タヌキ”じゃん?」
相葉ちゃんが真っ赤になる俺を指差し、ゲラゲラ笑いながら腹を抱えた。
俺、タヌキじゃねぇし…
「なんか楽しそうですね?」
そこへ大きな箱を抱えた和がやってきた。