• テキストサイズ

Pentagon【気象系BL】

第12章 愛の夢


和が溜息を一つ吐いて、相葉ちゃんの肩に手をかけた。

「まーくんさ、大野さんのことは俺に任せてさ、下行って”お客さん”の相手でもしてくんない? 多分やきもきしてる筈だからさ…」

「うん、分かったよ…」

相葉ちゃんの手が俺の髪を撫で、腰を上げた。
そして相葉ちゃんが座っていた場所に、和が腰を降ろした。

「やれやれ、やっと煩いのが出てったよ」

胡坐をかいて座った和の肩がストンと下がった。

「…ご…と…は…?」

喉が引き攣れるように痛んだ。

「ん、あぁ、仕事? 言ったでしょ、速攻で終わらせて来るって…大丈夫、ちゃんと終わらせたから」

俺はそれにも頷いて答えることしか出来なくて、もどかしさからまた涙が溢れそうになる。


だめだ…
俺が泣いたらまた和を困らせる。


そんな俺の気持ちが分かったのか、和の手が汗で張り付いた俺の前髪を掻き上げた。

枕元に置かれた洗面器で濡らしたタオルが頬に触れると、ヒンヤリとした冷たさに身体がピクンと震えた。

「ふふ、冷たくて気持ちいいでしょ?」

和が悪戯っぽい顔で笑った。

でもその顔はすぐに真顔に戻ってしまう。
そして真剣な眼差しが俺を見下ろした。

「会いたい? …翔ちゃんに、会いたい?」
/ 297ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp