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Pentagon【気象系BL】

第12章 愛の夢


遠くで人の言い争う声がしてた。

重い瞼を持ち上げ、視線を巡らせる。


ここは…?

あぁ、そうか…
あのまま倒れたんだ…


身体を起こそうとするけど、思うようにならなくて、仕方なく廊下から聞こえる声に耳を傾けた。

『…んで黙ってたんだよ!』

和?

和がこんな声を荒立てるなんて…

『だって仕方ないじゃん!』

相手は…相葉ちゃん…か…。

『仕方ないって、何それ? 俺のことは、まるっきり無視かよ? ふざけんな…』

『しっ、大ちゃんに聞こえるから…』

『お前が悪いんだろ、バカ!』

『バカ、ってなんだよ、バカって…!』


喧嘩の原因は…俺か…


溜息を一つ零したところで、ドアが開いた。

目が合った瞬間、気まずそうに視線を逸らす和。

「あ、大ちゃん、気が付いたの?」

和の身体を押し退けるようにして、相葉ちゃんが俺に駆け寄った。

俺の額と自分の額、交互に手を当てる。

「ん、熱はないみたいだね? お腹とか痛くない?」

そう言って爽やかな笑顔を見せる相葉ちゃんに、俺は首を横に振って応える。

「じゃあさ、お腹とか空いてない? なんも食べてないでしょ? なんか食べる?」

相葉ちゃんの質問攻撃に、どう応えていいのか分からなくて、俺は部屋の入り口で立ったままの和に助けを求めた。
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