• テキストサイズ

Pentagon【気象系BL】

第8章 椿姫


和也side


気まずい雰囲気のまま、俺たちは夕食の席に着いた。

あんな場面を見られたんだ。
とても平気な顔ではいられる筈もない。

大野さんと目が合う度、恥ずかしさが込み上げてきた。

テーブルに用意されたのは、おばちゃんお手製の唐揚げに、肉じゃが、熱々の味噌汁。それにシーザーサラダ。

シーザーサラダは多分大野さんのリクエスト。
食の細い大野さんも、これなら量が食べれると、以前聞いたことがある。

大の大人の、しかも男が三人。
当然と言えば当然なのかもしれないが、どれもこれもすごい量だ。

「和君、ビール飲むだろ?」

冷蔵庫を覗きながらおばちゃんが言う。

本当なら飲みたいところだが、何と言ってもまだ車の運転が待っている。

「いや、車なんで…」

俺はおばちゃんの申し出をやんわり断った。

でも、

「泊まってくんじゃないのかい?」

当たり前のようにおばちゃんは言うが、俺は大野さんのことが気になっていた。

渋る俺に、まーくんがニコニコしながら、

「いいじゃん、泊まってけよ。な、いいだろ、大ちゃん?」

よく平気な顔でいられるもんだ、と心底この男の神経を疑ってしまう。
/ 297ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp