第8章 椿姫
和也side
覚えてくれてた…たったそれだけのことなのに、すごく嬉しくて…
パンツを脱がしにかかったまーくんに、俺は身を委ねるように少しだけ腰を浮かせた。
お互い下着だけになると、なんだか急に恥ずかしくなって、俺は勃ち上がりかけた自身を手で隠した。
まーくんの顔が真っ直ぐ見られなかった。
「こっち向いてよ?」
言われれば言われる程、余計に視線を合わせられなくて、俺は堪らず片手で顔を覆った。
「…やだよ…まだ真っ昼間なのに…」
だって全部見られちゃうんだ。
多分赤くなってるだろう顔も、震える身体も…
そして今か今かと待ち侘びて疼くアソコも…
全部…
今まで何度だって身体を重ねてきたし、一緒に風呂にだって入ったのに、こんなに恥ずかしいって思うのは初めてだ。
「和のココは俺を見てるみたいだけど?」
自身を隠した俺の手の上から、まーくんの大きな手が重ねられた。
まーくんの手が俺の手ごと俺自身を握り込み、ゆるゆると揉み拉く。
それはまるで自慰と同じで…
自分の手の中でどんどん形を変える自身が、俺の羞恥心を更に煽った。