第1章 アヴェ・マリア
「お目覚めかな、リーダー?」
声がしたと同時に、部屋の照明が灯された。
松…潤…?
「気分はどう?」
ワインボトルを片手に、カウチに足を組んで座る松潤の口許には下卑た笑みが浮かんでいる。
「いいわけないだろ…うが…! 外せよ、これ…」
余程きつく縛られているのか、ロープで拘束された手首が痛い。
「まだ薬効いてるとは思うけど、アンタが暴れると手がつけられないからね。悪いけど我慢してよ?」
「なんだよ、それっ! ふざけんな!」
何とかロープを引きちぎろうと藻掻くが、それは相葉ちゃんによって簡単に封じられた。
「ねぇ、相葉ちゃん…? お願いだから、こんなこと止めてよ…」
俺の腹の上に跨がったまま、申し訳なさそうに俺を見下ろす相葉ちゃんが、静かに目を伏せ、首を横に振った。
そして、
「ごめんね、大ちゃん…」
と言うと、俺の首筋に舌を這わせた。