• テキストサイズ

Pentagon【気象系BL】

第8章 椿姫


和也side


大野さんが潤の戻へ行った。

俺にとってはちょっとしたショックな出来事だった。

あれ程翔さんのことを思っていた筈なのに…?

潤に酷い目に合わされたのに…?

それなのに潤を選んだ大野さんの気持ちが、俺には理解出来なかった。

でもそれが大野さんが自ら下した決断なら、それも仕方の無いことだと、自分に言い聞かせた。

だって、大野さんの心の中までは、俺は踏み込めないから。

それに翔さんは結婚すると言った。

そんな相手をいつまでも想い続けても、きっともっと辛くなるだけだろうから。

あの日…大野さんの部屋を訪ねたあの日から、俺は今まで以上に大野さんと連絡を取り合うようになっていた。

取り合う、って言っても殆どが俺からメールに、大野さんが短い返事を返してくるだけ。

面倒臭がりの大野さんだから、それも俺にとっては想定内のことで…

取り敢えず潤とは上手くやってる、ってことだけはその文面から読み取ることが出来た。

大野さんが幸せなら、それでいい…

そう思うことで、俺は俺自身を納得させた。



そんな時だった、

「一週間程、智を預かってくれないか」

潤からのメールだった。
/ 297ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp