第12章 11年目
拝啓、苗字名前様
まだ記憶は戻ってこないけど、俺は上手くやってるよ。
体を壊す事はないし、仕事も順調。
今新作を書き始めてるんだ。
名前は気に入ってくれるかな。
外出先でたまたま黒子に会ったんだ。
黒子って後輩なんだろ?
保父さんになったんだってさ。
エプロン似合ってたよ。
その黒子が俺の本読んでくれてるらしくて、気恥ずかしかったけど嬉しかった。
じかに感想言われる事なんてないから、なんか背中が痒かったや。
自分の作品が褒められるとすごい嬉しいんだ。
まるで名前が褒められてる気がして。
ファンレター貰う度に最高の彼女だって改めて思う。
名前は忙しいのかな?
時間が出来たら連絡くれたら嬉しい。
早く名前に会いたいよ。
また手紙書くな。
大好きだよ。