第5章 4年目
拝啓、苗字名前様
聞いてくれ。
俺、本を出す事になった。
作家になったんだ。
これさ、名前のおかげなんだ。
ありがとう。
俺にこんな才能あったなんて、自分でもビックリしてる。
大学三年にもなると就職で忙しくなってくるんだけど、すんなり決まっちゃったよ。
俺の能力を引き出して職にしちゃうんだから、名前はすごいな。
自慢の彼女だよ。
これから編集の人と打ち合わせなんだ、俺の作品第一号の。
書き上がったら一番に名前に見せるから読んでくれないか?
誰よりも先に名前に読んでほしいんだ。
勿論手紙も今まで通り書くから、手紙もちゃんと読んでくれよ?
じゃないと、俺が少し寂しい。
名前は俺の作家デビュー喜んでくれるか?
もし喜んでくれるなら、次に会った時一緒に祝ってほしいな。
また手紙書くな。
大好きだよ。