第14章 Ⓡ◆路地裏イチャアンin神田【企画】
「や、ぁ…っ見ら、れ」
「なら顔隠してろ」
「そういう、問題、じゃ…っふ、く」
「言う割には濡れてんじゃねぇか」
「っ…!」
雪の顔の羞恥色が濃くなる。
その表情を隠すように神田の胸に顔を押し付けると、目の前の団服を握り締めた。
長い指が蜜部の中を擦り上げる度、くちゅりと卑猥な音まで耳に届くようで。
足腰が震えて上手く立っていられない。
「こんな路地裏、わざわざ覗く奴なんかいねぇよ。俺だけ見てろ」
至極照れ癖のある雪だが、優しく促せば素直になる節があることを神田は知っていた。
落ち着いた声色で耳元に吹き込みながら、同じに優しい愛撫を繰り返す。
逃げ出そうとしていた体は、もう其処にはない。
細い手で縋るように団服を掴み、震える体を押し付けてくる。
それが、二つめ。
「だ、め…ぁっ仕事、なのに」
それでも本来真面目に仕事に取り組む雪の口からは、否定の言葉が途切れない。
しっかり濡れた瞳で上気した頬で蜜を溢れさせているというのに、とも思ったが煽られる加虐心を押し込める。
いつもきちりと着込み露出などしない仕事着から覗く、赤らむ柔らかな肌。
硝煙と血の臭いを纏わせながらも、発情した汗と淫らな女の匂い。
この場でしか見られない蜃気楼のような雪の姿に、雄としての欲が生まれたのは確かだ。
この時、この場での雪を欲した。
虐めて追い詰めれば、最悪逃げられてしまうかもしれない。
今、目の前のこの体を貪りたい。
「これも仕事の延長だ。AKUMAの所為で気が昂って仕方ねぇんだよ、相手しろ」
「あ、んぅッ」
深く口付け言葉を奪う。
否定する声を呑み込むように舌を絡ませ熱を与えれば、自然と優しく与えていた愛撫も激しさを増した。
狭い蜜部を掻き回して、胸の突起を擦り上げて、絡めた舌を吸い上げて。
震えが増す体を抱き止める代わりに壁へと押し付け快楽を引き出せば、逃げ腰だった雪の舌先が反応を示した。
くちゅ、と水音が立つ。
応えるように唾液を絡ませながら、縋っていただけの手が背中に回る。
微かに届いていた広場の人のざわめきが、遠退いていくように感じた。
戸惑いながらも受け止めようとする雪の体に、煽られて。
一心にその熱を貪った。