第14章 Ⓡ◆路地裏イチャアンin神田【企画】
「あっもしかしてユウの血…を…?」
人間の治癒力に数秒で完全回復する程の力はない。
しかし神田の体内を巡る血液となれば別だ。
唾液に己の血を含ませでもしたのだろう、事を理解した雪が言い切る前に再び口付ける。
「? あの、もう治ったみたいなんです、けど…」
ひとつ、ふたつ。
先程とは打って変わり、優しいキスを送る。
擽ったそうに身を捩る雪の腰はしかと掴まえたまま、腰から臍、臍から脇、脇から。
「っ!ちょ、そこ、は」
黒服の下に潜り込む骨張った手が、下着越しの柔らかい胸元の丘を包み込む。
はっきり愛撫と取れる動作で揉みしだけば、さっと雪の頬に朱色が差した。
逸らされてばかりいた眼は、此方を凝視する程に見つめてくる。
まずは、一つ。
「そこは怪我なんてしてないから…っ」
「知ってる」
柔らかな胸の間に口付けて、視線を絡める。
釘付けになった東洋人独特の暗い瞳は、神田から逸らされない。
その間するりと下着と肌の隙間へと入り込む長い指が、目当てのものを見つけ出した。
「ぁ、っん、ちょッ」
「暴れんなよ」
「だってそれ…ッふ、」
「それ、がなんだ?」
くるり、と指先で撫で回せば、ころり、と小さな胸の芽が主張を増す。
唇を結び首を横に振り被る雪の表情は、耐えるようなもの。
その隙を見て空いた手をズボンの中へと捻じ込めば、はっきりと雪の体が強張った。
「ま、待って本当待ってッ」
「却下。お前だって俺の忠告無視して怪我隠しただろ。お互い様だ」
「意味合いが大きく違うっ人が来たら…ッ」
「なら声を立てんな。気付かれる」
「っ!」
止める気のない神田の膝が、雪の脚の間を割って煉瓦の壁に付く。
閉じられない脚の付け根にショーツ越しに触れた指先が、優しくなぞる。
たったそれだけのことなのに、雪の顔は熱を持ったかのように血が集結した。
普段なら考えられないこの状況下に、気が変に昂っているのか。
「っん、…ッ」
己の手で口を塞ぎ、最小限に気配を殺す。
そんな雪を尻目に、見えないショーツの奥へと指を差し込めば、微かな湿り気。
胸への愛撫と重ねれば、そこに潤いが増すのに時間は掛からなかった。