第4章 ◆入れ替わり事件簿(神田)
「そこから考えられる結論は一つだけだが…それならテメェに聞かなきゃならねぇことが山程ある」
ひっ
この顔を見ても苛立たないと言いながらも、そう口にする神田の目が鋭さを増す。
…これ、返答間違えたら殴られる気がする。
「YESかNOで答えろ。他の返答は受け付けねぇ」
「え。い、いやちょっと待っ」
「YESかNOだっつってんだろ」
怖い!
なんか腕掴んでる手に力入ってるんですけど!
「テメェ……まさか月城じゃねぇだろうな」
や っ ぱ り。
ずばり核心を突いた問いに、思わず冷や汗が垂れる。
本来なら即答で違うと首を横に振ってたけど、ここまでアレンじゃないと断言されて更に威圧されて。
そんな神田を前にして、首を横に振る勇気は私にはなかった。
「…神」
「月城かどうかだ、質問に答えろ」
発言も許されないまま、低い声で畳み掛けられる。
…次に何か発言しようとしたら、殴られる気がする…。
結果、
「…………ぃ、イエス…」
ぽそりと肯定の言葉を告げれば、ピクリと神田の顔に僅かに反応が見えて。
「やっぱりか!」
「痛いッ」
瞬間、ばしんっと頭を叩かれた。
って素直に答えても頭叩かれるコースだったのこれ!