第13章 ※◇◆Summer to spend with you.
「贅沢?」
「周りは一目憚らずイチャついてるからさー。ならオレらもそうすれば気にならねぇんじゃないかなって」
「は?何言って…って何その手つき!なんかいやらしいんだけど…ッ」
「3Pは嫌だけどさ、南が嬉しいってんなら仕方ねぇ」
「は!?何言ってんのほんと…!は、班長!リーバー班長!ラビが変なこと言ってます!」
「そうだな。俺も3Pは願い下げだ」
「っ!?な、は、り…!?」
まさかリーバーの口からそんな単語が出ようとは。
両指をわきわきと揺らして近付くラビから後退る南の背中が、リーバーの腕にとすりと当たる。
真っ赤な顔でまともな言葉も出せていない南の驚愕ぶりに、リーバーは噴き出しそうになるのをどうにか堪えた。
「だからこれで我慢する」
「わ…っ」
耐えながら伸ばした腕は、易々と南の体を囲んで捕えた。
座り込んだ脚の間に引き込めば、すっぽりと収まる程良いサイズの柔らかい体だ。
「あ、ずりぃはんちょっオレもそれしたいっ」
「残念、一足遅かったな」
「ま、待って下さいっ、あの、ちょっと…ラビも顔が近…どこ触って、んのッ」
「違ぇーさ、それはんちょの手。オレの手はこっち」
「ひゃわ…ッそ、そんなところも触らないの…!」
がっちりとリーバーに腰を捕まれては逃げ出せない。
間近にある赤毛がふわりと顎を擽って思わず仰け反れば、するりとパレオの隙間から覗く太腿を撫でられる。
前も後ろも阻まれて、行き場のない熱がぐるぐると南の中を回るようだ。
「ラビ、それ、セクハラ…っただのセクハラッ」
「何言ってんさ、両手に花だろ?それにオレ、マッサージが特技なんさ。南の仕事で疲労した体を解してやるよ」
「嘘だ。絶対嘘でしょそれっ」
「いや結構真面目に」
これが本当に特技なのだからどうしようもない。
と、あっけらかんと笑うラビから、どうやら逃げ出すことは無理らしい。
赤い顔のまま助けを求める意味で、南は縋るようにリーバーへと振り返った。