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廻る世界の片隅で【Dグレ短編集】

第13章 ※◇◆Summer to spend with you.



『ねえねえ、アニさん!USJン勤めてんなら、優待券とか手に入んないスかね!?行きたい行きたい行きたいー!!!!ねえねえねえねえぁだ…ッ!』

『オメーがUSJなんか行ったら園内炎上してバックドラフト一色になるだろうが!休暇を楽しむ一般市民に消えない心の傷をつける気か!?通報すんぞ、うん!?いいから化け物は大人しく地元を流離ってろ!お盆まで墓場で待機してろ!何なら盆を待たずに成仏しやがれ!』

『ふざけんなテメェ、ペインさんとこまでぶっ飛ばすぞゴラ!?化け物はオメーだドデンダラ!手に口とか二口女房下手パクリじゃねぇか!お化け屋敷でバイトして消化不良起こして腰抜かすまでイカ焼き食ってろ、バーカバーカ!』

『誰がお化け屋敷なんか行くか!この夏俺ァジブリ美術館に予約いれてんだ!いよいよシータに会いに行く事になってんだよ、ザマーミロ!』

『…何だ、とうとう振られる覚悟が出来たのか?………よく決心したな……。行って来い!行って男を上げて来い!振られて一回りデカくなれ!ごめんなさいされて来い!パズーに温ーくて優しーい目で見られて来い!………ふ…ふふ…は…ははッ、はははははははは!だーははははははははは!シータに振られて巨神兵に食われちまえよ!見てーな、そんなオメー!予約制で簡単にゃ行けねぇのが残念だ!ああ残念だ!あははははははは!』



遠くなっていく彼らの騒ぎに、やっと塞がれた口を開放された雪は落胆の溜息をついた。



「折角カッキーに会えたのに…!こんな偶然あるっ?」

「目の錯覚だ、忘れろ」

「な訳ないから!…あーあ、デイダラ君と藻裾ちゃんだよあの声…」

「誰だそいつら」

「カッキーに前に聞いたことあるの。可愛い喧嘩ップルな二人。仲良くなりたかったのになぁ……一緒にUSJ行きたかった」

「行っただろーが、去年の夏に」

「鬼鮫さんとカッキーとはね。あれ楽しかったよね、また行きたいなぁ」

「散々ビール煽って絶叫マシンで吐きかけた奴の面倒見なければな」

「そ、そこまで醜態晒してないよ。少し気分悪くなっただけで」

「どうだか」



思い出話をしている間に、すっかりビーチから離れてしまった。
進めば教団の皆が遊ぶビーチ。
戻れば暁の集団が遊ぶビーチ。
どちらも願い下げだった神田は、とうとう密林のど真ん中で足を止めた。

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