第4章 ◆入れ替わり事件簿(神田)
「…アレンの気持ち、少しわかったかも」
「僕の気持ち?」
「うん」
アレン達と向かった食堂で、どんなに食べても食べても中々治まらない空腹に、何食目かわからない料理を平らげる。
これなら毎日の凄い量の食事も頷ける。
アレンって毎日こんな空腹感じてるんだ…大変だなぁ。
「でもやっぱ中身は違うんさな」
「ええ、食事の仕方が全く違います」
「え? そう?」
「そうれふか?」
向かい合った目の前の席で食事するラビの表情は苦い笑み。
その隣に座ったリンクさんもまた、呆れた目をアレンに──…ああ、確かに。
隣を見れば、一人前の料理しか口にしていないのにアレンの口周りは食べカスでいっぱいだった。
そういえばアレン、いっつも掃除機みたいに料理食べ尽くしていくから。口元よく汚れてるよね。
「今は私の体なんだし、そんなに空腹も大きくないでしょ。急いで食べなくていいよ。口元汚い」
「んぷっ」
流石に自分の体だから見て見ぬフリはできなくて、その口元をナフキンで拭う。
「なんか、癖でして…すみません」
「…その気持ちはわからなくもないけどね。はい、よし」
私も昔は、よく頬いっぱいに詰め込んでご飯食べてたから。
そんなアレンを咎める気にはなれなくて、口元を綺麗に拭ってあげた。