第13章 ※◇◆Summer to spend with you.
「リーバーはんちょぉ〜!魚釣れました〜!」
「んじゃ捌いてそこのバケツの水で洗え」
「ええっ捌くんすか!?」
「なんだ?できないのかジョニー」
「やったことないっすよ…」
「ったく、仕方ねぇな…いいか、よく見てろ」
じゅうじゅうと鉄板の上で香ばしい匂いと煙が立ち昇る。
科学班の面子が調達に行った魚介類や甲殻類で、バーベキューコンロの上は賑わっていた。
「意外にイケるな、この焼き魚」
「おおっ成程美味い!」
「あ、こらっまだ分けてないのに!勝手に食べたら駄目!」
リーバーが離れた隙にと、各々好き勝手に鉄板の上を突きながら味見する。
トングを持った南が口を挟めば、まぁまぁと彼らに宥められた。
「そう固いこと言うなよ南」
「そうだぜ、どうせ数は足りてねぇんだ」
「早いもん勝ちだってこういうのは」
「だからって…」
「そういやジェリーはどうした?」
料理と言えば浮かぶ彼がいないと、ふと皆で周りを見渡した時だった。
「ハァーイ!海の幸あれば山の幸!そこのジャングルから適当に見繕ってきたわよ〜!」
キランとサングラスを輝かせながら両手に籠を抱え現れたのは、見事な筋肉を晒したレオタード姿の料理長ジェリー。
赤と紫のマーブル柄が禍々しい。
「悪趣味なレオタードだな…」
「うわあ…一気に食欲無くなるわ…」
「南でカバーするか…悩殺ポーズでも一つ頼むわ」
「お、それいいな」
「ぜひ谷間強調系で」
「絶対嫌」
「何ブツブツ言ってんのよアンタら。折角山の幸を採ってきてあげたって言うのに」
顔色を悪くする一同の前に、ずずいとジェリーが差し出したのは抱えていた籠。
中には色とりどりのフルーツや山菜根菜が詰め込まれており、その種類の豊富さには科学班一同の顔色も明るく変わる。
「おーい皆〜!オレも飯取って来てやったぜ!」
「ティモシー?」
そこへ追加するように海から飛び跳ねるようにして駆け寄ったのは、新人エクソシストのティモシー。
小さな体で勢いよく何かを引き摺っていた。