第13章 ※◇◆Summer to spend with you.
揺れる揺れる。
陽の光に眩しい真っ白な水着に包まれた、二つの白い波打つ丘。
「アレンおま…お前…!グッジョブ!」
「あれが隠れ巨乳ってやつか…!」
「羨ましいぞアレンコノヤロぉお!」
「み、皆落ち着くである!」
必死に宥めるクロウリーの声も虚しく空振り。
食い入るように椛の姿を凝視しながら、バシバシとアレンの肩やら背中を叩く雄達。
「あちゃあ…だから待ってって言ったのに…」
パラソルの下で額を押さえる雪は、言わんこっちゃないと溜息をついた。
椛の体系が並みの女性より色気あるものだということはわかっていたが、予想以上の反応に肩も下がる。
(なんだろう、戦争してる職場だからなのかな。普段抑えられてる欲が皆出てる気がする…)
科学班も然り。
総じて、
「…夏だな」
思考も麻痺させるような、この暑い季節の所為なのかもしれない。
「はぁ…っごめんね、待たせちゃって…アレンくん?」
「よぅ椛!その水着可愛いな!」
「え?そ、そう?」
「よく似合ってるぜ!」
「えへ…そうかな?」
「勿論!こう、くる~っと回って見せてくれよ。なっ」
「こう?」
わいのわいのと褒め立てられれば悪い気はしない。
素直な椛ははにかみつつも、言われるがままにくるりとその場で一回転してみせた。
ふわりと靡く、太陽に透ける髪。
さらりと揺れる、白いスカート。
ぷるんと波打つ、なだらかな丘の谷間。
「「「最高オブ最高」」」
ぐっと親指をおっ立ての賞賛。
太陽をも上回る眩しさである。