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廻る世界の片隅で【Dグレ短編集】

第4章 ◆入れ替わり事件簿(神田)



「…それは、確かに…」


 ラビの言葉に、アレンも自覚したのか。
 自分の…というか私の体を見下ろして、頬を赤らめてぼそぼそと呟くアレンの姿は可愛…いや外見私だから。

 ごめん、いつもなら可愛いなぁって思うけど。
 今は思えない。


「大丈夫だよアレン、私そんな見応えある体なんてしてないから」

「えっぃ、いや…そんなこと…ってそうじゃなくて…!」


 ぽんと肩に手を置いて笑えば、更にアレンの顔が赤くなる。
 ぶんぶんと慌てて首を横に振る様は、いつものアレンの姿なら可愛いなぁって思えるのに。
 私だからなぁ…残念。


「着替えは目を瞑っててもなんとかできますけど、お風呂は…えと、今日は入りませんから安心して下さいっ」

「あ、そう?」


 まぁ一日くらいなら、入らなくてもいいかな。
 明日もこの姿のままだったら、流石に可哀想だから私が体洗ってあげよう。

 …アレンのことだから、恥ずかしがって嫌がりそうだけど。


「というか雪さんの方こそ、色々と不都合ですよね。お風呂とか…入りたいですよね、女性ですし…」

「てか普通に入るけど」

「え?」

「ん?」


 疑問符を投げかけてくるアレンに、つい同じに疑問符で返してしまった。

 え、だって。

 確かに、一日くらい入らなくても気にしないけど。
 任務先で野宿なんてよくあったし。

 でもごめんアレン、私そこ普通に入るかな。

 なんせアレンの体だし。
 日頃からちゃんと鍛えてるから、良い体してるのは知ってる。


「寧ろご馳走様です」

「なっ」

「オイ」

「何言ってるんですか」


 グッと親指おっ立てて言えば、ぼんっとアレンは顔を赤くして、ラビとリンクさんには冷ややかにツッコまれた。

 いやほら目の保養というか。
 アレンみたいな好青年の肉体美を間近に堪能できるとか、寧ろありがとうございますというか。

 というか、ありがとうございます。

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