第4章 ◆入れ替わり事件簿(神田)
「とりあえずリナリーは誤魔化せた、かな」
「これ、いつまで続くんですかね…」
安堵の溜息をつけば、隣でアレンがげんなりと溜息をつく。
コムイ室長は一日で解明してみせるって胸張ってたけど…確かにあの人の腕の凄さも認めるけど。
でも絶対とは言い切れないし。
確かに先は思いやられるかも。
「それにこれじゃあ満足に任務にも行けないですし…」
入れ替わってる間は任務を当てないと室長は言っていたけど、そこを残念がるアレンは至極真面目な性格だなぁと思った。
エクソシストのお手本にすべきだね。
「私はそこ、あんまり問題ないし。別に任務行ってもいいんだけどね…ファインダーとして仕事する分には支障ないし。寧ろアレンの体凄く使い易い」
事情を知ってるラビ辺りなら、一緒に任務組めるだろうし。
エクソシストからただの人間になってしまったアレンには、確かに不都合なことだと思うけど…ごめん、私には寧ろ好都合かな。
エクソシストとして左腕を扱う自信はないけど、ファインダーとしてなら問題ない。
寧ろ日頃からよく鍛えてるだけあって、アレンの体は軽いし力もあって大変扱い易かった。
「いやいや、任務とかそういう問題じゃねぇだろ。男と女なんだから。性別変わってんさ、問題はそこだろ」
首を横に振るラビの言葉に、思わずアレンと顔を見合わせる。
…そう?
「そうですか?」
「別に性別が変わったからって、あんまり気にならないけど」
「あなた方が気にならなくても、問題はあるでしょう」
「そーさ。着替えとか風呂とか」
あ、そういうこと。
リンクさんとラビの言葉に、成程と納得した。
普通に考えれば、避けて通れない道だよねそれ。