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廻る世界の片隅で【Dグレ短編集】

第13章 ※◇◆Summer to spend with you.



「大体なんで神田までいるんですか…君、こういう遊び興味ない人間でしょ。それとも本当は遊びたかったんですかパリピしたかったんですか」

「グチグチうっせぇな、暑さ増すだろうざったい。俺は雪に強制させられただけだ」

「神田の方が見てるだけで暑いんですよ、特にその髪うざい。なんでもかんでも雪さんの所為にしないで下さい。嫌なら断ればいいだけでしょ」

「あ?なんでそんなことまでテメェの言う通りにしなきゃなんねぇんだ、俺の勝手だろ」

「素直に来たかったって認めればいいんですよ女性の所為にするなってんです」

「まぁまぁまぁ!こんな所でまで喧嘩すんなさ二人共〜、折角の休日が」

「こら!喧嘩しないの!」



疲れた顔で割り入るラビの後方から飛んできた可憐な声に、アレンと神田の体がビクつく。
聞き覚えのある叱り声は、二人が逆らうことのできない美少女のものだ。



「もう、すぐ目を離すとこれなんだから」



案の定、振り返ったアレン達の目線の先にはリナリーがいた。
腰に両手を当てて見慣れた説教のポーズ。
ただ一つ、いつもと見慣れないのは彼女の服装だった。
エクソシストの団服でもチャイナ私服でもない、チャイナ風の襟ボタンがデザインされた赤いビキニ水着。
思わずアレン達の目がそこに釘付けとなる。



「ひゅう♪リナリーその水着可愛いさね!」

「そう?ありがとうラビ。変じゃない?」

「凄く似合ってますよ。ほら神田もっ」

「馬子にも衣装だな」

「…なんですって?」

「馬子にモゴッ」

「アハハハ!ユウの奴暑さで頭沸騰してんさな!」

「そうそう、バ神田の言葉なんて気にしないで!」



真面目な顔で地雷を踏む神田の口を、即座にラビとアレンが塞ぎのフォロー。
こんな場所で美少女の怒りを喰らっては堪らない。



「地獄に仏とはこのことだな。いや、天国に天使か」

「リナリーちゃん可愛い…」

「美少女は目の保養だよなぁ〜」

「リナリーちゃーん!一緒に泳ご〜!」



しかし他団員達のほんわかとリナリーを見つめる目線に、彼女の意識が神田から逸れたのが救いだった。
照れた様子で、それでも嬉しそうに笑うリナリーは正に教団のアイドル。



「君達、リナリーに手出ししたら殺すからね?」



そこには漏れなくシスコンの兄が付いてくる訳だが。

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