第12章 ⓇMerry christmasの前にⅡ【アレン】
それから何度目だろう。
「っは…ぁ…レン、…」
何度アレンくんの名前を呼んで、何度アレンくんの舌を感じて、何度アレンくんの手に翻弄されただろう。
「椛…ほんと、可愛い」
何度も快感の波が襲って、その度に波に呑まれた。
立て続けに責めてくる訳じゃないけれど、攻めの手を一向に止めて貰えない。
ぐずぐずに蕩けてふやけた視界に映るアレンくんが、熱っぽく呟く。
涙で滲んだ視界じゃ、顔はよく見えない。
「アレ、く…ぁっも、そんな擦っちゃ…っひゃぅんッ」
「ダメ?でも椛、凄く気持ちいいって顔してるのに。その声、もっと聴きたい」
「あ、んっそこ、ダ…っぁ、あッ」
じゅぷじゅぷとやらしい音を立てて、すっかり蕩けた私の中をアレンくんの指が掻き回す。
同時に熱いアレンくんの舌が胸に吸い付いて、体は強く仰け反った。
だめ、また、いっちゃうから…っ
「イっちゃ…ぁ、ふぁッン!」
ぷしりと小さな水音が立つ。
その卑猥な音に羞恥心を感じる余裕さえない程、頭はくらくらして絶頂を迎えてしまった。
「ぁ…ハ…ハァ…アレンくん…」
くらくらする。
頭と身体が、上手く連動しない。
「っ…椛…」
滲み出た胸元や首筋の汗を、アレンくんがキスで拭っていく。
その合間に零れる声は熱さを増して、名前を呼ばれただけで背中が粟立つ。
なんだろう。
凄く簡単に言えば、興奮してる感じ。
欲情が伝わってくる。
でも、ずっと、私ばっかり感じてる気が…。
「ァ…アレンくん…もう私ばっかり、気持ちよく、なる、の…やだよ…」
涙で潤んだ目で見上げれば、勝手に声も潤んだ。
ぐっと何かに耐えるような様子で、ゆっくりとアレンくんの指が濡れそぼる秘部から抜かれる。
「でも、ちゃんと濡らさないと。椛の体に負担が掛かるから…」
ぽそぽそと呟くアレンくんの声に、嘘は見受けられない。
私をよく気遣ってくれる、いつもの優しいアレンくんだ。
じゃあ…その負担を失くすようにって、その為にずっと攻めてたの?
もう私の中は充分過ぎるくらい、とろとろになってるよ。
…そういう所、アレンくんらしいんだけれど。