第12章 ⓇMerry christmasの前にⅡ【アレン】
「椛の体、なんだか甘くて美味しいから。もっと舐めてもいいですか」
「ぁ…っ甘く、なんか…」
「甘いです。僕には極上のスイーツかな」
さらりと言い切るアレンくんの言葉に顔が熱くなる。
普段からそういう甘いこと言ってくれるアレンくんだけど、こういう状況ではちょっと…
「だからもっと食べてもいい?椛のこと」
「っ…」
あ、甘過ぎて胸焼けしそう…っ
「いいですね。じゃっ」
「あ。待っ…」
上手く返せずにいると、あっさりと肯定したアレンくんの顔が私の肌に触れた。
「んっ」
胸の下。
薄い皮膚に柔らかな舌が這って、思わず震える。
「ぁっアレ…っん、く…っ」
腹部。
脇腹。
腕。
おへそ。
本当に味わうかのように、キス混じりの舌の愛撫をしてくる。
その合間にアレンくんの手が私の胸を揉みしだいてくるから、抵抗のしようがない。
最初はぎこちない感じで、可愛いなぁと思ってたのに。
こういう行動や手付きには迷いが見当たらない。
正に"男の子"というより"男"のアレンくんだった。
「本当、どこもかしこも甘いですね…椛は」
「そんなこと、な…ぁっ」
「あるよ。甘くて、なんだか酔いそうだ」
時偶外れるアレンくんの敬語。
いつもの優しいアレンくんも好きだけど、その中にある素の彼に触れられたみたいでいつもドキリとする。
「アレンくん…酔うのは、苦手、でしょ?」
豪酒なクロス元帥の所為で、アルコールは苦手だって前に言ってたから。
「うん。でも椛になら酔っていたい」
は、と浅く息衝きながら、下半身まで下りていたアレンくんの顔が微かに上がる。
下から見上げてくる可愛い上目遣いじゃない。
雄のような艶めき立った瞳に、背中がぞくりとした。
「だからもっと沢山、椛の甘い蜜を下さい」
「ぇ…あっま、待ってッ」
下る顔。
アレンくんの手がショーツに掛かって、はっとした。
まさか…っ
「アレンくん…っひぁっ」
止めようと手を伸ばす前に、アレンくんの指がショーツの上から秘部に触れた。
てっきり下着を剥かれると思ってたから、予想外の刺激に声が跳ねる。