第12章 ⓇMerry christmasの前にⅡ【アレン】
「なんか…変な感じ。可愛いアレンくんと男の子っぽいアレンくんの、二つの顔が見える」
「…男の子っぽいって。僕は男ですが」
「あ、変な意味じゃなくてね…っ」
「うん」
慌てて弁解しようとする椛の姿が可愛くて、つい頬が緩む。
わかってますよ。
…でも。
「今は、僕を男として見て欲しいかな。僕は椛を抱きたい女性としてしか見てないから」
「…っ」
ほんのりと薄明るいオレンジ色の部屋。
それでも椛の頬に朱色が差し込むのを視認できる中、水色の花畑に隠されていた二つの柔らかな胸に手を伸ばした。
触れると、吸い付くような柔らかさがある。
なんだかマシュマロみたいな…ううん、食べ物に例えるのも失礼なくらい、魅惑的で手が離せなくなる。
これは…師匠が夢中になるのもわかるかもしれない。
「ぁ…っ」
夢中になって触れていれば、中心の淡い色した突起に指が掠めた。
上がる椛の聞いたことのない声に、全身の細胞が反応する。
「ここ?」
「ぁ、ゃ…ぅん…っ」
「これ、気持ちいいんですか?」
こりこりと、胸の柔らかさとは違い確かな弾力のある突起を指先で挟んで擦る。
聞いたことのない声。
思わず食い入るように見つめれば、片手で口元を隠しながらこくりと椛は頷いた。
「そこ、きもち…いい」
「っ」
赤い顔で恥じらいながらも、快感を求めてくる。
そんな椛の姿に、抗えるものは何もないような気がした。
運動もしていないのになんだか呼吸が速まる。
右手で椛の胸の柔らかさを堪能しながら、誘われるように淡い突起に唇を寄せた。
「あ、ん」
甘い。
味なんてしないはずなのに、甘く感じる。
椛の声が上がるそこに、舌を絡めて吸い付いて丹念に味わう。
ちゅぷりと唾液が混ざり合う音さえも、なんだか欲を掻き立てるような音だった。
何度も味わっていれば、椛の声が段々と切なげなものに変わっていく。
それがもっと聞きたくて、夢中で柔らかな胸に顔を埋めた。