第12章 ⓇMerry christmasの前にⅡ【アレン】
「だからまた此処に観に来ましょう。折角のクリスマスなんだから、サンタの真似事をしたっていいと思うんです」
「…うん。そうだね」
偽善ぽいって、神田くんなんかには言われそうだけど。
アレンくんとなら、澄んだ心でできそうな気がする。
世界中の子供達の為に、なんて大それたことは言えないけど、それこそ世界の為に戦っているアレンくんと一緒なら。
「じゃあ早く帰ろ。寄付するギフト、見つけなくっちゃ」
繋いだ手を引く。
頷くアレンくんの笑みが増す。
陽が陰り気温が落ちていく中、私の心はぽかぽかと晴れやかだった。