第4章 ◆入れ替わり事件簿(神田)
一度見。二度見。三度見。
何度目を擦っても瞬いても、目の前で申し訳なさそうに見てくる姿は私自身。
そっくりさんだとかそんな類のものじゃない。
正真正銘、それは私自身だった。
………これってもしや。
「ドドドッペルゲンガー!?」
三回見たら死ぬっていう、あれ!?
「殺さないで下さい!」
咄嗟に顔を両手で覆って視界からその姿を外す。
あと二回見たら死ぬのかな…!
というかこの場合、目の前のこの自分を二回見たら死ぬの!? それとも別のドッペルゲンガー!?
「何言ってんさ、雪。死なねぇって」
「僕はドッペルゲンガーじゃないですよっ」
すると呆れたラビの声と焦ったような自分の声が同時に耳へと届いた。
違和感が残ったのは、この声だったんだ。
自分の声だけど、外部から自分の声なんて早々聞いたことなかったから。
少し違って聞こえる自分の声は、なんだか凄く違和感だらけだった。
……というか、僕?
僕って言った? 私。
「僕はアレンですっ! アレン・ウォーカー! 雪さん、自分の姿見て下さいっ」
「……へ?」
アレン?
…アレンって…あのアレン?
白髪の少年エクソシスト?