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廻る世界の片隅で【Dグレ短編集】

第7章 ◇サンタクロースと4人の子(ティーンズ組)



 なぁんだ、残念。
 もしかして貴重な姿が見られるかと思ったのに。

 少しガッカリしながら、仕方ないと布団を元の位置に引き上げようとした時。


「ん……南…」

「「!」」


 その口から覚束無い口調で漏れたのは、確かに私の名前だった。
 起きてしまったのかと驚いて、思わずクロウリーと共に固まる。

 だけど。


「むにゃ…それ…オレ、の…焼肉…」

「………焼肉?」

「…寝言…であるな、」


 むにゃむにゃと続く言葉はなんともこの場で関連性のないもの。

 …び、吃驚した…なんだ寝言か。
 驚かせないでよ、もう。


「夢の中まで焼肉って…どんだけ好きなの、焼肉…」


 そういえば好物だって言ってたっけ。


「夢に見るくらい好きなのであろう?」

「だね…食べ物の夢なんて、アレンみたい」

「食べ物だけではないである」

「?」

「それだけ南のことも好いているのである。本当に仲良しであるな、二人は」


 ほのぼのと笑うクロウリーは、多分友人としての意味で好いてるって言ってくれたんだろうけど。
 …ラビの想いを知ってる身としては、不意を突かれてしまって上手く反応できなかった。

 ……夢に見るくらい…ラビは、好いてくれてるのかな……私のこと。


「……」


 あ、駄目だ。
 凄く照れる。

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