第7章 ◇サンタクロースと4人の子(ティーンズ組)
「無理だから! 自動料理出現道具とか! 寧ろこっちが欲しいわ!」
「わ、わかったから。落ち着くであるよ、南」
「だって…ックロウリーも思うでしょ!? まさかドラえ◯んの道具なんて…ッどうやって用意しろってのよ!」
「そのドラえも◯とやらは私は知らないが、なんともアレンらしい願いではないか」
「そうだけど…っ」
脱出後。
出端から挫かれ、その場に両膝両手をついて項垂れていた私は、クロウリーに背中を撫でて励ましてもらっていた。
うぅう…流石優しいなぁクロウリーは…。
そして◯ラえもん知らないんだね……うん、それが普通の反応だと思うよ。
イギリス出身のアレンが何故ドラ◯もんを知っていたのか。全くもってそっちの方が謎だ。
「とにかくラビ達の所も回ってみるであるよ。何か解決策を思い付くかもしれない」
「……」
解決策…あるかな…。
でもやると決めたからには、ちゃんとサンタとして役を全うしなきゃだし…。
何よりアレンは私の言うことを聞いて、ちゃんと靴下まで用意して願い事を書いてくれていた。
サンタを信じてくれたからこそ、やってくれた行為。
その思いを無碍になんてできない。
「わかった…とにかく、次行こう。夜が明ける前に」
「である」
うんと頷けば、優しい笑みでクロウリーがぽんと軽く背中を押してくれた。
素敵な大人の男性だなぁ…クロウリーは。