第7章 ◇サンタクロースと4人の子(ティーンズ組)
「それはそうと…南」
「何?」
「本当にその姿で行くのであるか…?」
「うん、そうだけど。何、変?」
「変、というか………真っ赤である」
「? だってサンタだから」
「願い事を確認しに行くだけなのに、何故サンタに扮する必要があるのか聊か疑問なのだが…」
「万が一見つかった時の為だよ。サンタが願い事を確認しに来たって思わせておけば、信じるでしょ」
「…そう簡単にいくかどうか…」
「いいから、グズグズしてたら夜が明けちゃう。行くよクロウリー」
「っ! ま、待つである南…ッ」
兎にも角にも、夢に冷めてるアレン達の為に、大人である私がサンタを買って出なきゃ。
あの子達に夢を見せる大人がいなかったのなら、簡単だ。
私がその存在になればいい。
もう随分大人に近い年頃ではあるけど、まだ夢を見ても許される年頃なんだから。
一度くらい、サンタを待つ楽しみってものを味わわせてあげたい。
口元をすっぽり覆う口髭を取り付けて、真っ赤な帽子を被る。
馬鹿馬鹿しくも見えるかもしれないけれど、私は至って本気だった。
大人が真面目に遊びに興じれば、子供だって遊べるはず。
アレン達にはこういう楽しさも味わってもらわないと。
教団で生死を賭けた戦いばかりじゃ息が詰まる。
兎にも角にも時間との戦いだと、急いでクロウリーと共に皆の部屋に向かった。
手始めに向かったのは、食堂の隣。
其処に位置する、大食漢な彼の部屋。