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廻る世界の片隅で【Dグレ短編集】

第7章 ◇サンタクロースと4人の子(ティーンズ組)






















「準備はいい? クロウリー」

「ほ、本当に行くであるか…? 南」

「何今更怖気付いてるの。話を持ちかけた時は乗り気だったでしょ」

「あの時は、確かに素晴らしい案だとは思ったが…よくよく考えれば、あのアレン達である。勝手に部屋に侵入したら気付かれるのではないか…?」

「その為のクロウリーだよ。夜目が利くし、エクソシストの中で素早さも随一だから。私の補助役、お願いします」

「うう…自信ないである…」


 それから瞬く間に日は暮れ、日付も24日へと変わった寒い12月下旬の深い夜。
 私は全身真っ黒マントの、それこそ吸血鬼のような出で立ちのクロウリーと共に、教団の廊下の隅で合流していた。
 ボランティア活動と称して誘ったのは、エクソシストの一人であるアレイスター・クロウリー。
 見た目は吸血鬼みたいだけど、優しい穏やかな性格の持ち主だ。

 そしてそんな彼と廊下で深夜に落ち合っている理由は、ただ一つ。
 アレン達に用意させた靴下の中の願い事を、確認しに行く為。

 何を願ったか本人達に聞いてプレゼントしたんじゃ、サプライズにはならない。
 サンタは子供の願い事を前々から知っていて、それをプレゼントしてくれる魔法使いのような存在なんだから。
 こっそり確認して、そして用意しないと。

 アレン達への、クリスマスプレゼント。

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