第20章 Sweeter than SWEETS
毎日がすごい勢いで過ぎていく。
コンサート、生の歌番組、ロケ、年明けの特番の撮影、雑誌のグラビアにインタビュー…。
目が回りそうなほどの仕事量に毎年押し潰されそうになる12月。
仕事があるのはありがたい事だと骨身に沁みてる俺たちだから頂く仕事は出来るだけ受けるし、現場では常に全力で当たってるって自負もある。
だけど…。
今年はいつものスケジュールに紅白も加わった。
みんなでやるのとは違って全部一人…。
流石に忙しすぎてなんか全てが空回りして中途半端になり始めてる気がする。
5人でいる時はみんながさり気なくフォローしてくれてる。
でも、俺の状態を正確に把握してくれてるのは4人だけで…。
「相葉くん!そこ違う!
2、2、3、4で移動!
タイミングズレてるよ!」
「はい!すいません!
もう一度お願いします!」
特番用の振り付けの練習。
振り付け師さんの怒声がスタジオに響く。
いつも以上に間違える自分自身に焦りだけが募る。
「大丈夫だよ、相葉ちゃん。
もういっかいね!」
小声で励ましてくれるおーちゃんが大きな声でもう一回って言ってそれを合図に音がはじまる…。
自分の不甲斐なさに涙が出そうになる…。