第20章 Sweeter than SWEETS
電子音が、聞こえた気がして重い瞼を開ける。
「ん?朝?」
アラームとは違う気がしたけどとりあえずスマホに手を伸ばす。
「む…ん??あーば…ちゃ…ん?」
腕の中のおーちゃんが身じろぎする。
「ごめん…おこしちゃった?」
「ん?ううん…もう…あさ?」
まだ覚めきってない声に時間を告げるとおーちゃんはゆっくり体を起こした。
「おはよ?」
「おーちゃん、おはよう。
よく寝れた?」
「……うん…、よく…ねた………って…
え?ええええ?僕……僕…」
返事が聞こえたかと思ったら真っ赤な顔で俯くおーちゃん。
「ん?どうかした?
……あ、もしかして?
昨日の夜、おーちゃんが言ったこと?」
それしか思い当たるふしはないから聞いてみるとものすごい勢いでこくこくと頷く。
どっかで見た人形みたい…。
「気にしなくていいよ?
疲れてたんだよ。
だって、ライブ3日やったんだもん。
リハから考えると倍はやってるんだからさ。
疲れるに決まってんじゃん」
「でも…だってぇ…僕だけ…」
そう言うとますます顔を赤くするおーちゃん。
あんまりかわいいからそのまま抱きしめちゃった。