第5章 旧い夢 【悪い夢 side S】
先生が部屋を出て行った。
静寂が戻った部屋。
俺は智くんのベッドに近づき…
智くんを抱きしめた。
智くんに思いを伝える。
まるでプロポーズみたいだと…
あとでみんなに揶揄われたけど…
あれは嘘偽りのない、俺の本心だった。
出会ってからずいぶん経つ。
いつからかはわからないけど…
智くんは俺にとって
かけがえのない人になっていた。
智くんのいない世界なんて
考えられなかった。
だから…智くんを守りたかった。
救いたいと思った。
そのためならなんでもしたいとおもった。
O:「ねぇ、なんでそんなに
優しいこと言うの?
俺、
みんなに迷惑かけてるだけなのに…。
あんなことされて、気持ち悪くないの?
汚いって思わないの?」
智くんの本心を聞いた。
そんな風に思ってたんだ…。
あえて触れずにきたことが
歪みを作ってたと悟る。
みんなの本音が病室を埋める。
俺の、松潤の、ニノの、相葉くんの
そして智くんの本音が
ようやくここで明らかになった。
たぶん、俺たちは
自分たちが思っている以上に
お互いが大事で、
大切で、大好きなんだと思う。
俺たち全員にとって
衝撃的すぎる事件が
俺たちの関係に一石を投じたのは
間違いない。
そして…俺たちの同居生活が始まった。